今年の3月で仕事を辞めて、世界中を旅する予定。

 

わたしが目指すのは、安宿を渡り歩く一般的なバックパッカーではなく、現地の人たちの生活を体験する旅。世界中の人々は、どんな生活をしていて、どんな考えを持っていて、どんな価値観で物を考えているのかを知りたい。そしてそれを発信したい。

 

だから、現地の人の家に泊まり、家庭料理を食べ、同じ時を共有し、コミュニケーションを取る。わたしには十分な資金がないので、人の縁と恩と愛で旅をする。つまり、衣食住、あるいはそれらのうちのどれかを現地の人に提供してもらおうと考えている。

 

そのヒントになる動画を、友人に教えてもらった。

 

 夢の始まりは、ダンボールの切れ端から–”働きながら海外を旅する”男に、世界中から仕事が舞いこむワケ

 

 

彼(マーク・ヴァンダー・ハイデン)は、「自分がしたいこと」「自分が提供出来る価値」「その代わりにしてもらいたいこと」この3つを、誰が見てもわかるようにシンプルにまとめた動画をつくった。

 

その動画を発信して世界中から「うちで働いて欲しい」というオファーを受けて、お金がなくても世界中を旅することに成功した。

 

わたしの場合は、何が提供できるだろう?友人がアイデアをくれた。

 

 

わたしは2年半前に兄を傷害致死で亡くしていて、裁判で犯人に会った。兄を失った悲しみ、犯人に対する憎しみ、いろんな感情があったけれど、いろんな過程を踏み、今では「犯人に幸せになって欲しい」と思えるようになった。

 

こう思えるようになってから、わたしの人生は180度変わった。憎しみを捨てて、全てを許すことは、誰のためでもなく、自分が幸せになるために必要なのだと知った。

 

憎しみや怒り、許せないという想いは、確実に人を不幸にする。人を許すのは、人のためでなく、自分のためなのだ。自分が幸せになるために、許せない相手を許すのだ。

 

 

この心境を友人に話したところ、その体験は、世界中の人の勇気になると言ってもらえた。マザーテレサでもなく、ガンジーでもなく、有名でもなんでもない日本に住む27歳の女の子が、「大切な人を奪った人の幸せを願う」ということを成し遂げている事実に、勇気をもらえる人は確実にいるはずだと。

 

 

なのでわたしは、世界を回って自分の体験を伝えることにした。犯罪被害者の会?児童養護施設?わからないけれど、きっとどこかで話すことはできるだろう。きっとわたしの話を聞きたいと思ってくれる人(もしくは誰かに聞かせたいと思ってくれる人)はいるはずだ。

そのためにも、プロモーションビデオををつくることにした。旅する理由、スピーチしたいというわたしの意図、その代わりに交通費と泊まる場所を提供して欲しいという希望を盛り込んだPV。

 

旅に出る前に動画をつくり、世界中に送る。きっとオファーがくる(たぶん)。

 

オファーが来なかったら?現地でその動画を見せて、「話させてちょうだい!」というのもいいかもしれない。もはやなんでもアリだ。

 

自分の体験をシェアすることで(働かずとも)生きていけるのか?というひとつの実験として、挑戦してみたいと思う。動画撮影は、元テレビ局のディレクターをしていた友人にお願いした。心強すぎ!

 

あとは英文スピーチを用意しないと。幸い日本語、英語共にライティングは得意だし、留学中にスピーチのクラスを受講していたので、なんとかなるさという気持ちがある。(今思うと、人生はすべて必要なことしか起こらないのだなああと思う。スピーチの授業を取っておいて本当によかった)

 

資金ゼロで世界を旅するためには、何か特別なスキルが必要!だけどわたしには何にもないよー!なんて嘆いていたけれど、ちゃんと自分の中に自分の価値はあった。提供できるものはあった。

 

だからいまのままの自分で、どこまでできるか楽しみ。(スピーチの練習くらいはしておかないとだなあ)

 

動画はできたらシェアします!