2月25日〜3月2日までの6日間、父とふたりでハワイへ行った。わたしにとって初めてのハワイだ。

 

ことの発端は、父が何気なく言った「ハワイに移住するか」の一言だった。猛烈にテンションが上がったわたしは、ハワイに行ったこともないのに移住する気になり、それでは一度行ってみるかということでハワイ旅行が実現した。

 

ワイキキビーチやダイヤモンドヘッドなどの観光地についての知識はあったので、下調べは主に食について進めた。本や雑誌で調べたり、ハワイを訪れたことのある友人にオススメを聞くなどして、1週間あっても回りきれないだろうと思われるレストランをピックアップした。

 

もちろん楽しみだったのは食だけではない。ビーチ、山、気候、あたたかな人々。

ハワイへ行ったほぼすべての人が「最高だった」「また行きたい」「住みたい」と言うのだから、それはもう素晴らしい島なんだろう。わたしはハワイという地に大きな期待を抱いていた。

 

人々はみな幸せそうに暮らしていて、親切で優しい。空気は澄んでいて、そこかしこに自然が広がっている。ビーチでは地元のロコたちがサーフィンを楽しんだり砂浜で寝そべるなどして思い思いに過ごしている。木陰でのんびり昼寝をする人たちのほほえましい姿。笑顔でいきいきと働く人たち。

まさにハッピーアイランドといった理想を持ってハワイへと向かったわたしは、ホノルルに到着した瞬間、そのギャップに愕然とした。

 

NYの5番街を思わせるような高級ブランド店が軒を連ねた通り。巨大なショッピングモール。ひっきりなしに車やバスが通り、歩道は人で溢れている。ワイキキビーチは大勢の人で埋め尽くされ、その美しさも半減して見える。地元のロコたちの姿はなく、9割が観光客。日本人も多い。頭に描いていたハワイとかけ離れたその姿に落胆した。

 

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日本から必要最低限の荷物しか持ち込まなかったので、到着後すぐに必要なものを調達するつもりでハワイ最大級のショッピングモールであるアラモアナショッピングセンターへと向かった。

 

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土地勘を得たかったのと、ハワイの様子を知りたくてワイキキビーチから歩いて向かうことにした。その間にもひしめく高層ビル群にわたしは圧倒されていた。

考えてみれば、観光地なのだからホテルやモールが立ち並ぶのは当然のことだ。わたしが自然豊かなハッピーアイランドを想像して勝手に落胆しているだけだ。わかっているけれど気持ちが萎えていくのを止められなかった。

 

 

アラモアナショッピングセンターで目当てのものを買い込むことに成功しても、気分は晴れなかった。おいしいご飯で気分をまぎらわそうと友人おすすめのレストランへ向かった。そこでもハワイの洗礼(?)を受けた。

 

席に通されて待つと、店員が注文を聞きに来た。わたしが口頭で2品注文すると、店員が反復したのが1品だけだった。伝わっていないのかもしれないと思い念押しのつもりで写真を指差しながら注文をすると、店員は「わかってるよ」というように目を広げて驚いたようないらついたような顔をした。

次に飲み物を聞かれたときもまったく同じ状況になった。注文を取り終えると店員はメニューを取り上げて、「やれやれ」という表情でどこかへ行ってしまった。

気の小さなわたしはその店員の態度に萎縮してしまった。それと同時にわたしは混乱していた。ハワイではみな幸せそうな顔をして働いているんじゃなかったのか?ハワイはそこかしこに笑顔であふれているんじゃなかったのか?

わたしが描いたハワイはどこへいったのか?

 

誰もが最高だったと口にするハワイ。しかし初日に先制パンチをくらい、複雑な気持ちでホテルへ戻った。その日はなかなか寝付けなかった。

 

続く。