沖縄2日目。朝早く起きて石垣島へ飛んだ。

石垣島は車がないと不便と聞いていたので、空港でレンタカーを借りて、島を回った。

 

まずは石垣島を代表する景勝地、川平湾へ向かった。

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水面がキラキラと輝いて美しかった。が、それだけだった。そこに感動はなかった。お土産屋が並び、ツアーの団体客が押し寄せる観光地。ゆっくり見る気にならず、すぐ車に戻った。

 

石垣島で「見るべき」と言われる場所はいくつかあるが、どれにも心を揺さぶられることはなかった。 それよりも何気ない小道や、ひっそりと存在している場所に心を惹かれてシャッターを切りまくった。

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石垣島は半日もあれば車で一周できてしまう。市街から離れた石垣島の道路は、信号もなく、交通量も少なく、美しい海と山に挟まれ、ゆったりドライブしているととても豊かな気持ちになれる。

ドライブをしながらふと、今こうやって来たことのない島で車を運転して、幸福感を感じていることがすごいことに思えてきた。行きたい場所、やりたいことがあったから、「行く」「やる」と決断して、実行した。それだけ。当たり前のことだけど、本当にやっている自分がおもしろくて、思わず笑ってしまった。

人生って、全部そうなんだなと思う。行きたい場所があって、やりたいことがあって、会いたい人がいるから行動する。そうやって人生は動いていく。

 



 

しばらく車を走らせると、「米原ビーチ」という看板を見かけたので立ち寄ってみることにした。偶然車を乗り入れた場所でシュノーケルグッズを貸し出していたのでやってみた。こうやって直感に従って気になる場所に立ち寄ったり、思いつきで行動できるのが一人旅のいいところだ。

 

ビーチにはほとんど人がおらず、ほぼプライベートビーチだった。米原ビーチは透明度が高くて美しい。海に入りながら見る於茂登岳もとてもよかった。川平湾のように観光客が押し寄せることもなく落ち着いていた。

シュノーケルは初体験だったけれど、あまり好きにはなれなかった。魚やサンゴをずっとながめていることに楽しさを見出せなかった。わたしは、「癒しの旅」や「リゾートでゆっくり」というのが苦手。ビーチで寝そべっていられるのも1時間が限界。何もせずにぼーっとすることができない。旅に癒しを求めていない。

旅に癒しを求めるのは、普段の生活に癒しがない(または少ない)場合が多いように思う。普段が忙しくて大変だから、旅先で癒されたい、リフレッシュしたい、何も考えずに過ごしたい、ということなのだろう。旅行=現実逃避のツール。旅が終われば現実が待っている。だから旅が始まった瞬間に、旅の終わりのことを考える…。「毎日が辛い」前提の人生って、想像するだけで怖い。

 

じゃあわたしが旅に求めているものは何?

それはきっと「リアル」と「体験」。人に会い、会話を交わし、知らない地のことを知る。その土地の人々のリアルな生活を知る。価値観が広がる。景色を観るときも、「綺麗だなあ」より「こんな景色に囲まれた生活は、どんな気持ちになるんだろう」「自分はこの景色から何を感じるだろう」と考える。

新しい価値観に触れることで、脳内がアップデートされる。体験を通じて自分がどう感じるかを俯瞰して、深く深く自分を知る。

 



 

ずっと自分のことを「人嫌い」だと思っていたけれど、わたしが旅で求めていたのは人との関わりだった。景色を眺めていても、おもしろいことは一つも起こらない。おもしろいことを運んで来てくれるのは、いつだって人だ。現地の人とのふれあいから予想もつかなかったことが起こることを期待している。わたしは人が好きなんだ、と気付いた。

 

自分のことはわかっているようで実は以外と知らない。旅は自分を知るのに最高の方法。「自分探しの旅」とよく言うけれど「自分を知る旅」というのがしっくりくる。

 


続く。