やっとのことでホテルにチェックインし、一息ついていると、ベルボーイが荷物を置きに来てくれた。初めてのクアラルンプールだと伝えると、「お〜それはたくさん見るべき場所があるよ!マップ持ってる?なに?持ってないだって?僕が持ってきてあげよう!」と言って5分後にたくさんマップをもって戻ってきた。

「ここはチャイナタウンで、ここはショッピング街だよ。ぼくは17時で仕事が終わるから、一緒にショッピングに行こう。僕がこの街を案内するよ。美味しいディナーを食べて、君、音楽は好き?それならクラブで踊ろう。僕と一緒に」



え…ここ、四つ星ホテルで、あなた、ベルボーイよね??普通にナンパしてるけど…クアラルンプールではこれが普通なの?驚くところなの?それとも流すところなの?


「君、名前は?ゆがり?NO?Sorry..ゆかりね、OK!さあどうする?一緒に出かける?」

笑顔でかわしても食い下がってくる。しつこい。

「君はどこへ行きたい?ツインタワー?OK、歩いて?もちろん行けるよ。僕が案内するよ。君は歩くのが好きなんだね?ねえ、まりか?」




まりかって誰だよ!ゆかりだっっつうの!


超めんどくさいので適当にあしらって、ひとりクアラルンプール散策へ。まずはホテルから近いチャイナタウンに歩いて行くことにした。歩道を歩いていたら、いきなり後ろからけたたましいクラクションが聞こえた。びっくりして振り向くと、巨大な観光バスがわたしの真後ろまで迫っていた!ええっ!?ここ歩道でしょ?!

慌てて縁石に登ってバスをやり過ごした。なんなんだ!バスが歩道走るなよ!
 

気を取り直して歩いていると、またもやクラクション。まさかと思い振り返ると、またもや観光バスが眼下に迫っているではないか!なんやねんクアラルンプール、意味わからん!

と思っていたのだけど、しばらく歩くとそこはバスの駐車場へつづく道だったことが判明した。すみません、歩道ではなかったのですね…。
 


やっとたどりついたチャイナタウン。

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チャイナタウンを流して、クアラルンプールの繁華街、ブギビンタンへ。ザ・アジア!的な屋台が立ち並んでいた。猥雑とした感じがすごくよかった。
 
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良い時間だったので、ビールでも飲もうと思い、客引きに声をかけられた店に入った。ビールを注文し、飲みながらナンパなベルボーイにもらった地図を広げていると、斜めの席にふと視線を感じた。欧米人のおじいちゃんがハイネケンを注いだグラスをこちらに見せて、「乾杯」のジェスチャーをしている。わたしもグラスを上げて返した。

しばらくするとビールを飲み終えたおじいちゃんがこちらへ来て、「地図を見ているけど、どこへ行きたいんだい?」と聞いてきた。初めてのクアラルンプールだから、どこへ行ったらいいかわからないと言うと、彼はクアラルンプールは何度か来たことがあるらしく、行くべき場所をいろいろ教えてくれた。

その後、ディナーはどうするのかと聞かれ、特に予定はないと答えると、「わたしはGood Australian menで、この街にも慣れている。いいお店も知っている。一緒にディナーしないかい?」と誘うのでこれは面白い展開だと思い、二つ返事でOKした。



屋台が立ち並ぶ通りの1本向こうにレストランやバーが並ぶ通りがある。何が食べたいかと聞かれたのでマレーシア料理と答えると、良さげなレストランへ連れて行ってくれた。
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自らをGood Australian menだと言い切ったおじいちゃんは、「オジーボブと呼んでくれ」と言った。彼はとてもジェントルマンだった。気の利いたジョークを言い、英語が得意でないわたしのために聞き取りやすく話してくれ、理解するまで何度も根気よく伝えてくれた。
 
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飲んで食べて、その後バーへ。そこはオジーボブのいきつけらしく、ボブと店員の女の子が親しげに話していた。2〜3杯飲んで違うバーへ。そこもまた彼のいきつけで、お気に入りのバンドがステージで演奏していた。1時間おきにステージがあり、それ以外はDJタイム。選曲は若干古いが、メジャーどころをしっかりおさえていて、盛り上がっていた。時間が経つにつれてどんどん人が増える。わたしは楽しくて踊りまくっていた。その間もオジーボブはガンガンお酒を頼む。強いカクテルにチェンジしたとき、もうこれ以上お酒は無理だと判断し、帰ることにした。
 
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久しぶりに大量のお酒を飲み、ふらふらだった。多分ビールを7〜8杯、カクテルを4杯くらい飲んだと思う。すべてオジーボブにおごってもらい、お礼を言って別れた。ありがとうオジーボブ!

初日から楽しい出会いがあり、クアラルンプールでの日々が楽しみになった。



続く。