先日、服を買いたいなーと思ってデパートを見て回っているときふと思ったことがあって、それは「安物」は自分を殺すなあってこと。


やっぱり安いものには安い理由が、高いものには高い理由がある。安いものは「着る人」よりも「利益」を考えてつくられているから、より安く大量に仕上げた結果、当然着る人に優しくないつくりになっている。縫製は甘いし、生地はペラペラだし、すぐダメになる。


高いものはいい素材を使っていることが多いから、着るだけで包み込まれているようなあたたかさや、空気を身にまとったみたいな軽さを感じられる。


もちろん、高い=いい、安い=ダメではないけれど、ただ「安いから」という理由でものを買うと、少しずつ自分が死んでいく気がする。


毛玉のついた化学繊維のセーター、糸がほつれたペラペラのシャツ、やたらと重く肩が凝るコート。それらのものを着ると気分が沈む。そのほつれや毛玉を見るたびに、気持ちは深く落ち込んでいく。安いもので身を固めた自分が、ひどく安っぽい存在に思える。


カシミヤのニットはあたたかく、シルクのシャツはなめらかで着心地がよく、カシミヤのコートは空気みたいに軽いのにあたたかくつつみこんでくれる。それらのものを着ると、やっぱり気持ちいいしテンションもあがる。ハッピーでいられる。



合皮と牛皮のジャケットを着比べてみたとする。どちらが心地いいか、きっと体は知っている。牛皮は肌馴染みが良く、着ると肌にほどよくマッチして体をほんわか温めてくれる。科学繊維はひんやりと冷たい。




むやみやたらに高いものを選ぶ必要はないし、値段で選ばなくてもいいと思うけど、着ると心がよろこぶもの、心地いいと感じるもの、テンションがあがるものを選んでいきたいなあと思う。


自分を殺さないために。自分がハッピーであるために、安いからという理由で選ぶのはもうやめよう。