1年前のちょうど今ごろ、世界を旅する準備をしていた。「仕事を辞めて世界へ飛び出す」っていうのがわたしにとってはものすごい挑戦で、「世界一周したい!半年や1年くらい行こう!」と思って準備をしていた。


(だけど実際行ってみたら、もう本当にしんどくて。めっちゃ楽しいんだけど、めっちゃしんどい。毎日がジェットコースターみたい。あまり体力がなく、どちらかというと引きこもりのわたしには刺激が多すぎて、40日くらいで「もう無理」ってなった)





あれから1年経った今思うのは、仕事を辞めることや、世界を旅することを、なんかすごく重く捉えすぎていたな、ということ。沢木耕太郎さんの「深夜特急」をはじめ、いろんな旅の本を読んで、「わたしも旅立つぞ!」と意気込んでみたりしてたっけ。


でも今の時代、世界へ出るのなんてすごく簡単なことだし、気張って「旅に出るぞ!」なんて思う必要ないよなあ。


仕事を辞めるのも、当時のわたしはすごく大きなことだったけど、今考えるとぜーんぜん。「今日は雨だから遊びに行くのやめよっか」くらいの気持ちで「辞めたくなったから辞めよっか」くらいでちょうどいいような気がする。



わたしも昔は「一度しかない人生を精一杯生きよう!」みたいに思っていた側の人間だから、そういう気持ちもわからなくはないけど、今は「80年生きるとしたらあと50年以上あるよね。長っ」とか思っている。


もちろん80歳まで生きられる保証はないし、もしかしたらうちの兄みたいに30歳くらいである日突然死ぬ可能性もあるんだけど、でもだからって「今を精一杯生きねば……!」とか思えないし、思いたくもないなーって。だってしんどいもん、その考え方。「もしかしたら明日死ぬかもしれないよね〜あはは」くらいに思っていた方が精神衛生上いいんじゃないかなって思う。



何かを成し遂げたいとも今はもう思わないし、やりたいくないことやめて、やりたいことだけやって生きていければいいと思ってる。ゴロゴロして、食べて飲んで寝る、みたいな生産性のカケラもない生活も別にいいじゃん、って思う。


ちょっと前までは、何もしない毎日なんて、人生の時間を無駄にしているみたいでイヤだったけど、でも、無駄にしているような気がして今の自分を責めている方が人生を無駄にしている、っていうことに気づいたから、ゴロゴロする毎日や生産性のない日々を思いっきり楽しもう、っていう考えにシフトした。そしたら毎日が楽しくて^^







なんかちょっと話がそれた気がするけど、何が言いたいかというと、人生をそんなに重く捉えなくてもいいんじゃないかなってこと。わたしの大好きな為末大さんの本に、「人生は暇つぶしだと思ってからは生きるのが楽になった」みたいなことが書かれていたけど、本当にその通りだと思う。



自分の人生を意味あるものにしてみせる、と意気込んで空回りしている若い人もよく見る。かくゆう僕も、競技人生の前半においては、意味のある人生にしたい、意味のあることを成し遂げたいという思いが強い動機になっていた。でも、メダルを取った頃からふと冷めだした。僕の母が毎日近くの山を登ることと、僕が世界で三番になることの本質的な違いがわからなくなったのだ。


人生は暇つぶしだと思ってから、急に自分が軽くなって、新しいことをどんどん始められるようになった。たかが人生、踊らにゃそんそん、である。


ほんとーに、その通りだと思う。人生は暇つぶし。だから、例えば仕事を辞めるのも、世界へ旅立つのも、何をするのもしないのも、全部暇つぶしのひとつ。だからそんなに重く考えず、やりたいと思ったこと、少しでも興味のあることをやってみたらいいんじゃないかな。もしそれが自分に合っていなかったらまた違うことをすればいい。


そしてなにもしたくなければ、引きこもるのもいいし、家でゆっくりすごすことだって「やりたいこと」のひとつ。



人生は暇つぶし。気負わず楽しもう。って言っても油断すると力はいっちゃうから、わたしも気をつけようと思います。