2016年06月



なんとか乗り換え時間に間に合い、北京発ニューヨーク行きの便のシートにおさまることができた。あとはビールでも飲んで寝てしまえば、14時間後には到着だ。






14時間後、ほぼ定刻通りにニューヨークのJFK空港に到着する。





さあ、ニューヨークだ!



…でもまだ安心はできない。なぜならわたしには最後の関門、






入国審査





が待っているのだ。




 以前の記事、
【ニューヨーク滞在記#1】空港のカウンターで出国を拒否される?!にも書いたけれど、わたしは無謀にも片道航空券でアメリカに入国しようと試みており、それを知った中国国際航空の職員に出国を拒否され、急遽その場でカナダ行きの航空券を取る羽目になった。



そう、アメリカは帰りのチケットまたは第三国への出国のチケットがない限り、入国できない恐ろしい国なのだ。




カナダ行きのチケットを取ったとはいえ、油断はできない。なぜなら中国国際航空の男性係員に、「大丈夫だとは思うけど、100パーセント入国できるとは限らないからね。そこは保証はできないから…」と不安になることこのうえない忠告を受けていたのだ。


「入国がんばってね!」という謎の激励も受けており、不安を背負ってわたしは入国審査に挑んだ。








飛行機を降り、しばらく通路を歩くと人だかりができている。まだ入国審査のフロアに入る以前の通路から、すでに列ができているらしい。まじかよ…時間かかりそうだなあ…。


そう思いながらもおとなしく並ぶ。周りは中国人だらけ。まあそりゃあそうだ。北京発の飛行機に乗って来たのだから。




少しずつ列が動き、係員が立つ場所までたどり着いた。


係員は列に並ぶ人たちのパスポートをチェックし、先に進んでもいい人、そのまま列に並んでいる人を振り分けている。


早く進みたいので自ら彼らの元へ行き、パスポートを見せる。すると「ビザのページ開いて!」と言われてしまう。ビザ?ビザなんて取ってないよ。1週間くらいしかいるつもりないんだからさ。






「ノービザ」と伝えても、「いや、ビザ出して!」の一点張り。




わたしの頭に不安がよぎる。






もしかして、、、、、ビザないと入れない、、、のか、、、、、、!?




周りのを見るとみんなビザを提示している。マジかよ…ビザ必要なのかよ…ビザ……ビザ
………ビザって10回言って、、、ってそんなあほなこと言ってる場合じゃなくて!



一瞬パニックになりかけるが、待てよ。と冷静さを取り戻す。


日本人は、90日以内の滞在なら、ビザはいらないはずだ。それは間違いない。もしかしたら中国人がアメリカに入国するにはビザが必要で、だからみんなビザを持っているんじゃないか?そしてこの係員は、わたしを中国人だと勘違いしているんじゃなかろうか?




そうだ、きっとそうだ。




自信を取り戻し、係員に「わたしは日本人だ!」と伝える。

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一瞬疑わしげな目でわたしを見つめたが、パスポートがわたしを紛れもない日本人だと証明している。パスポートを数秒見つめ、ついに係員はわたしに「行ってよし」の合図を出した。




よっしゃーーー!これでやっと入国審査のフロアにたどり着けるぞ!








少し歩いた先に階段があり、そこを下ると入国審査のゲートが見えてきた。



ようやく入国できる!とよろこんだのもつかのま。そこにはありえないほどの人、人、人!


おびただしい数の人が列をなしていた。

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いろんな国へ行ったが、こんなにも人だかりのできた入国審査を見たことがない。一体どれだけ時間がかかるんだろうか……気が遠くなりそうだったが、とにかく並ばないことには始まらない。




しかし列が複数あり、一体全体どこの列に並んだらいいかわからない。


係員に聞いてみると、「日本人?エスタで来るの何回目?」と聞かれる。「2回目です」と答えると、「じゃああっちね!」と奥のほうを指をさされる。


そちらの方向へ行くと、そこには何やらコンビニのチケット発券機のような機械が置かれていて、みんながタッチパネルを操作している。


なんだろうこれは……と戸惑ってあたりを見回すと、バックパックを背負った日本人っぽい人を発見!



小走りでその人の元へ行き、「日本人の方ですか?」とおそるおそる尋ねる。「そうです」と返事が帰ってきて安心する。


機械の使い方を教えてもらい、タッチパネルを操作して最後に顔写真を撮り、チケットが印刷されるのを待つ。寝ぼけた顔をしたわたしが映ったチケットが出てきた。







しかしそのチケットはなぜかおおきなバッテンマークがつけられていた。







あの、これってどういう………?





とさっきの日本人に聞こうとしたが、彼はもうすでにゲートに並んで先の方に行ってしまっていた。


これ、やり直しってことなのかなあ?あたりを見渡すと、発券を終えて列に並ぶ人の手に、バッテンがつけられたチケットが握られているのを発見!


このバッテンにも何か意味があるのかもしれないと、それを持って列に並ぶ。


しばらく観察したところによると、どうやらバッテンを食らっていない人は、列から抜けるように言われ、空いている別のゲートへと促される。 あまり詳しい審査が必要ない、安全な人らしい。


一方わたしは思いっきりバッテンマークを食らった「怪しいやつ」なので、審査の時間がかかる列にい続けることになった。






審査員は複数いるのだけど、いかんせんわたしの並んでいるゲートはひとりひとりの審査に時間をかける。なので必然的に列も動きが遅くなり、待ち時間も長い。


一向に進まない列にうんざりしながら並び続ける。


14時間のフライト後に、この待ち時間は辛い…。いったいいつになったら審査官の元へ辿り着けるのか見当もつかないくらい動きがにぶい。





1時間半ほど並んだ頃だっただろうか。わたしが並ぶすぐ横の列から男性の大声が響いた。






驚いて声のする方向を見てみると、派手なピンクの柄シャツを着た一癖も二癖もありそうな男性が、ドレッッドヘアーの黒人女性係員に向かって声を荒げている。


彼の大声の主張によると、彼は列に並ばなくていいような、なにかしらの許可のようなものを受けているらしく、それを女性係員に伝えて列を抜けさせてもらえるよう言ったらしいのだが、係員は「あなたは列を抜けることができない。みんなと同様、列に並べ」と言ったらしい。



列に並ばずにすむはずだった彼は、「そんなはずない!ちゃんと俺の説明を聞け!」と声を荒げていた、というわけだった。



男性は相当怒って何度も説明しているようだったが、女性係員は一向に聞く耳を持たず、しまいには彼を無視して知らんぷりを決め込んだ。そんな係員を彼はいまいましげに見つめながら、最後は黙って列に並んだ。




男性が黙ったのでみんなの注目もやみ、さっきと同じく、退屈な待ち時間がやってきた。








かれこれ2時間以上は並んだだろうか。ようやく次でわたしの番だ。


長かった。ああ、長かった。後ろの距離感の取り方が下手くそすぎる中国人が、何度もわたしのリュックにぶつかってくるのにイライラしながらも、よくこの時間を耐え抜いたよ…。がんばったね、わたし。と心の中で自分を労っていると、またもや大きな声が後ろから聞こえてくる。



振り返るとまたさっきの彼だ。どうやら他の係員に抗議をしようとしたのだけど、それを見つけたさっきのドレッッドヘアーの女性係員が、 「聞かなくていいわよ!さっきわたしが説明したんだから」と別の係員に言い放ったようなのだ。


それを聞いた男性はよりいっそう声を荒げて、「ああ、そうだな!どうもわざわざありがとうよ!」と皮肉いっぱいに女性に向かって吐き捨てた。


女性も皮肉いっぱいに「どういたしまして」と返す。



すると男性がフロア中に響き渡る声でこう言った。

























このビッチが!






















今までは上から目線で、男性を小馬鹿にしたような態度だった女性係員だが、これには怒りをあらわにしたようだった。










「なんですって?わかったわ。いい?あなたはそのままずっとそこに並び続けるのよ。ずーっとね。だってわたしがあなたをそこから進めないようにするから。





なんでそんなことするかって?




















それはわたしがビッチだからよ!!



















入国審査のフロアに「ビッチ」という言葉がこだまする…





















な、なんだこれ、、、、、















めっちゃおもしろいやん。






わたしはそのふたりの喧嘩を、野次馬根性で見守り続けた。









女性係員は、自分はビッチな女だと公言した後どこかへ姿を消した。







そしてしばらくして戻って来た。












警備員と一緒に。





うひょーこれは面白い展開だ!どうなる!?女性係員をビッチ呼ばわりした男性はここからつまみだされるのか??入国できずにトンボカエリなのか?!


 




ビッチと呼ばれた係員、ビッチと叫んだ乗客、そして警備員の3人が対面し、緊張感が漂う。







まず女性が警備員に事情を説明する。


「…それでこいつ、わたしのことビッチと呼んだのよ!」





係員は警備員が男性をつまみだしてくれるだろうと思っているのか、かなり上から目線だ。






「まあまて。この人の意見も聞くから」と、警備員は冷静な対応だ。






発言の機会を与えられた男性は、口角泡を飛ばさんばかりに自分の意見を警備員に主張し始めた。






わたしその様子を見守りながら、まあでもきっと男性が悪いということになるのだろうなあと思っていた。



しかし思わぬ事態は思わぬ展開へ。




なんと警備員が男性の意見の方が正当だと考え、男性を擁護する発言を女性係員にしだしたのだ。





これで一気に形勢逆転。男性は「それみろ」という顔で女性を見る。


女性はさっきまでの余裕の顔はどこへやら、慌てた様子で警備員に「だって…!」と抗議する。そしてそれを制する警備員。





これはなかなか面白い展開になってきたぞ…!







……とここで時間切れ。入国審査の順番が回ってきた。どうなるのか続きが気になったが、審査の男性に呼ばれ、しぶしぶ(?)従った。あんなに早く順番が回ってきてくれよと思っていたくせに、いまは喧嘩の行く末がどうなるか気になってその場を離れたくないと思うのだから我ながら都合がいい奴だ。














入国審査は思っていたよりもあっさり終了した。カナダ行きのチケットを取ったためか、ちゃんと不審者だと思われずに入国することができた。










ああ、長かった…とても長かった…14時に空港に着陸したのに、もう17時半だよ………。






疲れた体に鞭打って荷物を受け取り、空港内を出ようとすると、 空港から出る前に軽く列ができている。


とそこに、見覚えのある派手なシャツ。





ん??????





























さっきのあの男性ではないか!








なんと彼はまんまと自分の主張を通し、警備員によって先にゲートを通してもらえたようなのだ。




なんとまあ……。「このビッチが!」と言い放ったおかげで、早く通れることになるとは……。







というか本当は、早く通れるべき人だったってことだよね。それはそれで災難でしたね…。







当の本人はさっきの騒動はどこへやら、飄々とした顔をしてさっさと空港を出て何処かに去っていった。












気を取り直して、わたしも空港を出る。やっとこれで自由に動くことができるぞ!


体は疲れ切っていたが、気分は高揚していた。




これからニューヨークでどんなことが待ち受けているのか、楽しみで仕方がない。またそれは、次の話。 
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3時間半のフライトを経て北京空港へ。乗り換え時間はまさかの1時間。短い乗り換え時間を考慮して、中国国際空港の男性係員の好意により、降りやすい一番前の席にしてもらっていた。

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飛行機が止まるやいなや、立ち上がって荷物を持つ。客室乗務員からの指示があればすぐにでも出れるよう準備を整え一番先頭に並ぶ。


待つこと数分、降りてもいいとのサインが出たので、早足で出口へと向かうと………















ない














ない




























ない



































空港と飛行機をつなぐブリッジがない



























ま、まさかの………。






















これ!!!!!!!



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そんで、、、















これ!!!!!!!!!!









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前の席だった意味がまるでない































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結局みんな同じバスに揺られながら空港内へと向かう。


焦りを通り越してもはや笑いたいくらいだ。












しばらくしてバスが空港の建物内に到着。ニューヨークの乗り継ぎはどこへ行けばできるのかまったくわからないわたしは、あるひとりの白人男性に目をつけた。なぜなら彼はわたし同様そわそわしており、案の定、バスが空港に到着すると同時に小走りに駆け出して行ったのだ。


間違いない!彼はニューヨーク行きの便に向かっている!



遅れを取るまいと一生懸命彼について行った。





数分歩き、彼が列に並んだ。ここか!乗り換えの列は!



まだ彼が完全にニューヨーク行きの便に乗ると決まったわけではないので(というかまったく何の確証もないので)、彼に聞いてみることにした。




わたし「すみません!ここはえっと…ノリカエの列ですか?」



ニューヨーク行き(?)の彼「え?すみません、なんですか?」




焦りのためTransit(乗り換え)という単語が出てこない。



えーっと、なんて聞いたらいいんだろう。。。。











わたし:「あなたどこ出身ですか?!」










し、しまったー!なんでそんなこと聞いてんだ!この列はニューヨーク乗り換えの列なのか聞きたいだけなのに、なんで初対面の人の出身国を聞いてんだー!?







あきらかに不審なわたしを変な目で見ることもなく、彼は「僕はスペイン出身ですよ」と答えてくれた。



す、すぺいん?

わたしはてっきりアメリカ人が日本へ行った帰りなのかと思っていたのだが、どうやら違うらしい。



わたし:「え?じゃああなたはスペインへ行くんですか?ここはニューヨークの乗り換え場所じゃないんですか?」



彼:「いいえ、ここは違います。きっとあっちだと思いますよ」




彼は優しく教えてくれた。





ありがとうございます!と、彼が指差す方向に駆け出すわたし。「take care!」と声をかけてくれる彼に手を振りながら、あ〜よかった聞いておいて!と思った。








彼の示す方向へ行くと、空港の職員だと思われる人がいた。






わたし:「ニューヨークに乗り継ぎたいんですけど!こっちでいいですか!?」



職員:「……………(無言で頷く)」




無言だろうが無表情だろうが、頷いてくれただけありがたい!よし、あっちの方向へ急げー!


と再び駆け出そうとするわたしを仏頂面の職員が制する。



な、なんだ?































職員:「……………(ペタ)」











ん?なんか無言でシール貼られたぞ。




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よくみると、これは中国国際航空のロゴだ。



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そうか!これはわたしが「中国国際航空の乗客ですよ=急いで乗り継ぎしないといけない人ですよ」というサイン!この先のゲートの係員にわかるようにしてくれたのだ!



ありがとう!なんかこれでなんだか大丈夫な気がしてきたー!




小さなシールに大きな勇気をもらいながら、さらに先へと進む。なんだかラスボスが待つ場所まで難関を越えながら向かうRPGの主人公みたいだ。さあ次はどんな試練が待ち受けているんだ?かかってこーい!






次に現れたのは、第一のゲートだった。そこでパスポートを見せる。どきどきしながら待つ事数秒。すんなりパスポートを返され、通っていいとの許可が出る。






おっしゃー!ちょろいちょろい!さあ次はなんだ?!




少し歩くとそこには階段の下からずらりと伸びた行列ができていた。


げ!やばい!階段の下はどうなっているかよく見えないけれど、結構混んでいそう…。もしかしたら列を抜けて先に行かせてくれるかもしれないと思い、近くにいた係員にシールをアピール。


彼はシールをちらりと確認したが、無言で目をそらしてしまう。えー…先に行かせてくれないのかよ……めちゃくちゃ時間かかったらどうしよう…。





待つ事数分、階段を下るところまで列が進んだ。下の階では第二のゲートがあり、そこに人がうじゃうじゃと並んでいた。


下の階にいる係員に「中国国際航空の便なんですけど、わたし急がなくて大丈夫ですか!?(列に並ばずにゲートとおりたいんですけどっ!?)」と聞くと、いいからこのまま並んでて、と言われてしまう。係員がこのままで大丈夫って言うのなら、そんなに時間はかからないかもしれないけれど…。不安なまま、何度も時計を確認しながら待った。






ゲートは複数あったため、人が分散されて比較的すぐに順番が回ってきた。簡単なパスポートチェックを終えると次は荷物検査だ。



いろんな国を回ってきたけれど、北京空港のチェックはまあまあ厳しかったように思う。2度の持ち物検査のやり直しとボディチェックを受け、ようやく搭乗ゲートに向かうことができた。





電光掲示板によれば、ニューヨーク行きの便はゲート51だった。ゲート51を探して看板を頼りに歩く。




「ゲート1〜70→」











「ゲート35〜70→」
















「ゲート45〜70→」
















「ゲート50〜70→」








…………





















ぜんぜんたどり着かない。













時間はギリギリではないが、決して余裕があるわけではない。搭乗ゲート探しに手間取って乗り遅れたなんてことになったら最悪だ。


そう思いながら少し小走りでゲートを探して歩いていると、人と荷物を運ぶ車のようなものに乗ったおっちゃんが「乗るかい?」と声をかけてきた。

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え!いいの?!めっちゃ優しいやん!


勢おいよく飛び乗って「51番ゲートまでよろしく!」と言うと、「あいよっ」とノリのいいおっちゃん。



あー助かった!これに乗っていれば安心だわ。


































おっちゃん:「そういえばお金いるけどいい?」

































お金いるんかい






























「ムリムリムリ!」と弾けるように降りる私をおっちゃんは苦笑いで見つめる。


ったく。乗り換えのために来た中国のお金なんて持ってないよ!





走り去ろうとするおっちゃんに、「そういえば51ゲートってどこ?」と聞くと、「あっちだよ」と方向を教えてくれた。




ありがとう!じゃあ!とその場を離れようとするわたしに、おっちゃんがボソッと一言、「遠いよ」とつぶやいた。



















絶対乗らなかったの根にもってるなおっちゃん……

















そこからは小走りを中走りに切り替えて51番ゲートへと急ぐ。本当に端の端までやってきたようだ。まだボーディングタイムはギリギリ過ぎておらず、何はともあれ、短い乗り継ぎ時間をなんとかクリアすることができた。








あとは14時間のフライトを経て、ニューヨークに行くだけ!入国の不安はまだあるけれど、それはまた、次の話。





つづく。



 
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いよいよニューヨークに向けて出国の日。


わくわくするけれど、同じくらい不安もあった。「アメリカに入国できるのだろうか」という不安だ。なぜならわたしは「片道航空券しか持っていない」のだ。


無知なわたしは、「アメリカに片道航空券で入国できないはずない」という思い込みで(というかそこに1ミリの疑いもなかった)、いつものように片道だけのチケットを取った。(滞在中に他の都市へ行きたくなったり、他の国へ行きたくなったりしたとき、「帰りのチケットがあるから」という理由でそのときの気持ちをつぶしたくなくて、一人旅ではいつも片道のチケットだけでほとんどの国に入国している)



するとニューヨーク在住の方に「片道航空券だと入国できないかもしれないですよ」と言われた。



え?まじで?



そこで初めて「アメリカは、復路または第三国へ出る証明がなければ入国できない国」だということを知った。





とはいいつつ、不安を感じながらも「まあ大丈夫っしょ」と軽い気持ちでいた。今まで行った国で帰りのチケットを見せろと言われたことは一度もなかったし、そんなに厳しい入国審査を受けたことがなかったからかもしれない。










〜〜〜〜そして出国当日〜〜〜〜〜







朝の7時、伊勢志摩サミットのせいで超厳戒態勢の中部国際空港に到着した。なぜよりによってこんな日にフライトを予約してしまったのだろうかと、1ヶ月半前の自分を恨みながら電車を降りる。


空港に入るために身分証を提示しなければならず、ロビー入り口の広場に長蛇の列。ああ…ちゃんと2時間前に来てよかった…


めずらしく余裕を持って行動できた自分を褒めながら、検査を受けてチェックインカンターへ。




わたしが乗るのは中国国際航空。北京で乗り継ぎ、ニューヨークへ向かう。中国国際航空のカウンターは空いていて、比較的すぐに受付までたどり着くことができた。



対応してくれたのはとても感じのいいちゃきちゃきとしたお姉さんだった。アメリカ行きはいろいろと聞かれることが多く、「アメリカでの滞在先はどちらですか〜?」「何日間滞在するんですか〜?」などの質問に答えた。


本当に感じのいい方で話しやすかったので、「わたし入国できるか不安なんですよ〜。片道航空券しか持ってなくて〜」と軽い気持ちで口にすると、意外にもお姉さんは深く考え込み、しばしの沈黙。







「……………………厳しいかもしれないです………………」













ええ?!まじすか?!そんな深刻っすか?!








「わたしたち、帰りの航空券か、もしくは他の国へ飛ぶチケットを持っていらっしゃらない方には、出国を許可できないという規則なんですよ…」





















え!そうなんですか!?









ちょっとまってまじか!ってか何やってんだわたし!「片道航空券しか持ってないんですよ〜」なんてアホ面して言ってる場合じゃないよ!自ら告白してどうする!





猛烈に後悔するわたしと真剣に考え込むお姉さん。




とそこに男性係員もやってきて、3人でどうしたもんかと考え込む。




お姉さん:「カナダへちょっと寄るとかどうですか?バスとかあったっけ…?」


わたし:「あ!それなら、ニューヨークからロサンゼルスへ行った後、バンクーバー行きたいなあって思ってたんです!」


男性係員:「そういうことなら………カナダ行きのチケット取れます? 



わたし:「い、ですか………?」







男性係員・お姉さん:「今です」










わたし:(まじすか…)








男性係員:「日付が先の方のチケットなら、1万円くらいで取れると思うから。行かなかったとしても御守り代わりとして…だってもし入国拒否ってことになったら、30万、40万と払って帰ってこなきゃいけなくなるし…」



















わたし:「今すぐ取ります!」









なんでも入国拒否されると、当日のチケットで帰らなければいけないのでバカ高い値段になってしまうのだとか。恐ろしい…










お姉さん:「じゃあお荷物はお預かりしておきますね!お待ちしてま〜す!」









むっちゃ明るいお姉さんと対照的に、わたしは青ざめていた。よりによってチェックインがせまっているこの状況で、カナダ行きのチケットを予約しなければならないなんて……飛行機のチケットを取るのって、何回やっても慣れないんだよ…いつもドキドキしながら取ってるのに、まさかこんな時間ない中で(しかも焦りながら)取るなんて…大丈夫かな…いや大丈夫かなじゃなくて、やるしかないんだ…。














チェックインカウンター近くのベンチに座り、急いでパソコンを開く。










…………





















やばい全然Wi-Fiつながらない!















ちょっと〜〜〜頼むよ〜〜〜〜再接続!再接続!









…………









あ!つながった!











航空券の検索サイトを開く…

















やばいめっちゃネット遅い













ねえ確か飛行機のチェックインって、ちょっとでも遅れたら搭乗できないんじゃなかったっけ…






飛行機に乗れず、セントレアで呆然と佇む自分の姿が脳裏をよぎる………












どうしようどうしようどうしよう!スタバならWi-Fiあるよね?!スタバに走るか?!あっでも男性係員が「備え付けのパソコンがありますよ」って言ってた!パソコンを探せ! いやその前に、搭乗手続きの締め切り時間を聞いておかなきゃ!






も う か ん ぜ ん に パ ニ ッ ク







中国国際空港のカウンター近くにいる女性スタッフに声をかける。



わたし:「あっすみませんっ!」



女性スタッフ:「はい、いかがされましたk…」



わたし:「パソコンどこですか?!」



女性スタッフ:「パソコンでございますか?こちらの案内板に…ここにパソコンのマークがありますのd…」



わたし:「スタバどこですか!?」



女性スタッフ:「スターバックスは2箇所ありまして、ひとつはここをまっすぐ行った先にございまして、もうひとつはエスカレーターをあがっt…」



わたし:「チェックイン何時までですか?!」



女性スタッフ:「あ、はい、どちらの便でしょうか?」



わたし:「これです!(eチケット見せる)」



女性スタッフ:「これは……………」



口ごもる女性スタッフ。どうした?!早く教えてくれっ!

















中国国際航空の便ですね………わたくしどもはJALなので。








え………?









見上げると、目の前には思いっきり「JAL」と書かれたカウンターが…………







焦りのあまり、JALのカウンターを完全に中国国際航空のカウンターと勘違いしていたのだ。










わたし:「すすすすいませんっ!」



恥ずかしさのあまり、女性スタッフの顔をろくに見れず、そそくさとその場を立ち去る。







あーめっちゃ恥ずかしい。でもなんで間違えたんだろう…?


中国国際航空とJALのチェックインカウンターを見比べてみると…





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まぎらわしいわ















いかんいかん、そんなことにかまってる暇ないんだった。早く予約しなきゃ。







高速に回転しつつも焦りのためからまわる頭を使って、「一刻も早く予約することが最優先」と判断し、わたしはパソコンにダッシュした。


近くにいたスタッフに、「すみません!これどうやって使うんですか?!」と半ば怒鳴り気味に尋ねる。



「スミマセン、ワタシ、ワカラナイデス」



中国人風のスタッフはそう答えた。


ええぃ使えないっ!自分でなんとかするしかないっ!


見たところパソコンは旧式のWindows。100円で10分使用することができるらしい。投入口に100円を入れてマウスを動かすと、固まっていたディスプレイが動き出した。


まずネットを開く。


よしよし。若干遅いけどちゃんとつながる。



大急ぎで航空券検索サイトを開き、ロサンゼルス発バンクーバー行きを検索。


日にちはどうしようか………


いつまでニューヨークにいるかもわからないし、いつまでロサンゼルスにいるかもわからない。わからないから帰りのチケットはおろかニューヨークからロサンゼルス行きのチケットすら取っていないのに、そこをすっ飛ばしてロサンゼルスからバンクーバー行きのチケットを取ろうとしているのだからもう何が何だかわからない。



悩んだが、日にちなんて今考えてもわかるはずがない。とにかくチケットを取ることが重要なんだ。手数料はかかるだろうけど、日にちの変更はあとからできる。それに最悪、チケットは捨てたっていい。


そう思い、適当な日にちに設定し、大急ぎで予約を完了させた。





ふう。なんとか間に合った(のか?)



「早くしなきゃ」というパニックで、やたらと時間がかかったように思ったけれど、予約が完了した安心感から少し冷静さを取り戻すと、案外そこまで時間はかかっていなかったかもしれない。


とはいえチェックインの締め切り時間は未だ不明なので、小走りで中国国際空港のカウンターへ。


チェックイン待ちの客は1組しかいなかったが、それは「まだチェックインの時間は過ぎていない」ということ。


ちゃきちゃきのお姉さんがわたしに気付いて「おかえりなさーーーい!」と元気良く迎えてくれた。男性係員も来てくれて、予約の控えを確認してくれた。


お姉さんが航空券ナンバーを控えて入力する。よかった。これでなんとか出国できそうだ。ほっと肩をなで下ろす。



一連のやりとりですっかり打ち解けたわたしたち。男性係員はもはやわたしに敬語すら使わない。


「乗り継ぎ時間が短いから、前の方の座席にしておくね」と、まるでわたしが姪っ子か何かであるかのように話しかけてくれる。




ところでわたしが乗る飛行機は、セントレアから出発し、北京で乗り換えてニューヨークに入る。その乗り継ぎ時間は1時間25分という短さ。


そんなに短い乗り継ぎを経験したことのないので、ちゃんと乗り継ぎができるか不安だ。そんなわたしを男性係員はさらに不安にさせる。




男性係員:「サミットの影響でフライトが遅れることもあるから、そしたらもっと乗り継ぎ時間が短くなっちゃうからね」


なんでもまだ要人のひとりが到着していないらしく、わたしの便のフライト時間と、その要人が到着する時間がかぶったら、要人の飛行機が着陸するまで離陸できないというのだ。


まじ勘弁してよ!どこの国のどいつだよ遅れているのは!遅れているのはいいけれど、頼むからわたしの便のフライト時間にやってこないでくれよと願った。




男性係員に「乗り継ぎがんばってね!」と激励の言葉をいただき、お姉さんから「またすぐにゲートで会いましょう!」と声をかけてもらった。どうやらチェックインの時間はギリギリだったらしく、このあとすぐにお姉さんたちはゲートへ移動するらしい。


そんなギリギリまで待ってもらったことを申し訳なく、またありがたく感じながら国際線の搭乗口へと向かう。


いろいろあったけれど、なんとか出国できそうでよかった〜。トラブルを引き起こすのは毎度のことだけど、ここまで焦ったのは初めてだな〜。でもやっぱりなんとかなっちゃうものだよな〜。うんうん。


なんて考えながら歩いていると突然、







高木さま〜〜〜〜!












お待ちください高木さま〜〜〜!






















びっくりして振り返ると、さっきのお姉さんがすごい勢いで走ってくる。














なに?!いったい今度はなに!?




















「すみません、カナダ行きのチケット番号の控えが消えちゃったのでもう一度メモらせてください〜」













なんだそんなことか。よかった。またなんかわたしやらかしたかと思ったもんね。







気を取り直して出国審査へ。すぐにゲートへ行くと、ボーディングタイム5分前だった。



機内に乗り込む。あとは飛立つのを待つだけ。アメリカへ向けて出発だ!





















………




























……………………

















飛ばない


















離陸時間の9時を過ぎても、まったく飛ぶ気配がない。



まじかよ………要人到着かよ…………。








ただでさえ短い乗り継ぎ時間がどんどん減っていく。1時間25分しかないのに……フライトが10分遅れれば乗り継ぎは1時間15分になり、20分遅れれば1時間5分しかなくなってしまう……。これは、本気でやばいやつじゃないか?



どうすればいいんだ?北京についたら人をかき分けてダッシュすればいいのか?!そういえば、ニューヨークに住む日本の方が以前「もし時間がヤバかったら、係りの人に強めに言って前の方に通してもらったほうがいいですよ!」とアドバイスをくれていた。



強めに言って……ってできるかな。でもやるしかないな……。



そんなことを考えていると、やっと飛行機が動き出した。




よし、いいぞ!飛べ!早く飛んでくれーーー!









結局飛行機は25分遅れで離陸した。25分遅れ………。















乗り継ぎ時間1時間…………………。












果たしてわたしは無事乗り換えができるのだろうか?


次回に続く。 
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