カテゴリ:旅の記録 > 沖縄

4日目、気分は落ちていた。夕方に竹富島を出て石垣島へ戻ってきたものの、特にすることもなくふらふら街を徘徊した。島の人たちと関われたらいいなあと思いつつも、盛り上がっていそうな居酒屋やバーに一人で入ることもできず、自分は勇気がないなあと、一人なんだなあとしみじみ感じていた。寂しさをまぎらわせようかとも思ったけれど、ちゃんと感じ切ろうと思い、あてもなく自転車を走らせてみた。

もういいかと、と思ったところで宿帰り、早めに就寝した。思いほのかぐっすり眠れた。気分が落ちているときは、とっとと寝てしまうに限る。朝起きると、昨日悩んでいたことがどうでもいいことのように感じられる。






あるときからわたしは、弱い自分を責めることをやめた。弱い部分が見つかったら、「ああ、わたしにはこういう部分があるんだな」と、知って、認める。弱さを克服しようとするのではなく、「こういうときにこういう風に思うのか。なら、こういう旅の仕方にしよう」と自分に合わせた旅にしていく。自分を知る旅。自分を認める旅。自分をまるごと受け入れる旅。いい部分も悪い部分も含めて、自分に出会うのが一人旅なんだと思う。

これは人間関係や仕事でも同じで、例えば苦手な人や、苦手な仕事があったときに、無理に仲良くなろうとしたり、うまくできるように克服しようとするとおかしなことになる。「人とうまく付き合えない自分はダメだ」「こんな簡単なこともできない自分はダメだ」と自己否定から入るすべての行為は全くうまくいかない。だから「こういうタイプに苦手意識を感じるんだな。深く関わらないようにしよう」「この仕事は自分には向いていないんだな。誰かに任せよう」と、自分の苦手を知り、認める。

そうすることで、何倍も楽に生きられる気がする。
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3日目は竹富島へ向かった。石垣島からフェリーで10分ほど行ったところにある小さな島だ。八重山諸島の中で最も昔ながらの街並みを残していると聞いていたので、わくわくしてフェリーから降りると、観光客向けのアクティビティを用意した人たちがズラリと待ち構えていて、少し萎えた。

 

友人に、「時間と体力があれば歩いて回れる」と聞いていたので、気を取り直して歩いて島を回ることにした。写真でよく見る赤瓦の屋根と、貝殻を積んだ石垣に囲まれた家々があり、観光客も少なかったからか、のんびりとした時間が流れていた。

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かき氷屋さんで涼んでいると、おかみさんに三線を勧められたのでチャレンジしてみた。コード(ドレミ)を覚えるのは結構簡単で、涙そうそうを(超ゆっくりだけど)弾けるようになった。

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竹富島にはコンドイ浜と星砂の浜と呼ばれるカイジ浜が有名。カイジ浜は美しかったけれど観光客が多かったのですぐに立ち去り、コンドイ浜へ。あまりの海の美しさに、泊まる気はなかったけれど、竹富で一泊しようと決めた。

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夜の竹富島はものすごく静かで、街灯もないから真っ暗。懐中電灯がないと外は歩けない。もちろん島民はみんな家にいるし、出かけている観光客もわずか。夜はやることがない。1日目の本土・2日目の石垣と、出会いを求め刺激を感じてきたわたしには、ものすごく物足りなかった。落ち着いた島なのに気持ちが落ち着かず、「誰か飲みにいこうよ!!!」と叫びたいのをぐっとこらえて部屋で大人しくしていた。

 



 

あれこれ求める自分を少し反省して、次の日は「なにもしないをする」を実行してみようと思った。コンドイ浜へ行き、ただ座ってゆっくりしてみた。昨日より、少しだけ落ち着いた気持ちになれた。(だけどやっぱり1時間が限界だった)

 

ふらっと入ったアクセサリーショップのお兄さんが、「ビーチに腰掛けて海をじっとながめたり、ゆっくり読書をして、お腹が空いたら帰る」という1日の過ごし方を教えてくれた。それがとてつもなく豊かな時間の過ごし方な気がした。

わたしは常に「楽しいこと」「価値のあること」「自分にプラスになること」を考えて行動しがちだけれど、それが心の豊かさにつながっているかというとちょっとギモンだ。ビーチの木陰で本を読む人や、自前のベンチに腰掛け、キャンバスに海を描く人を見て、豊かだなあとしみじみ思った。そんな時間の過ごし方もいいなあと思わせる姿だった。

地図を持ち、行きたい場所を探し、何度も地図を確認して、たどり着けるよう必死になっていた自分がバカらしいと感じた。予定を立てて決められた観光地を巡る旅をバカにしながら、気づかないうちに自分がそうなっていた。次からの一人旅では、名所を訪ね歩いたり、地図片手にあちこちを回る旅を終わりにしたい。結局、そうやって観たものはあまり記憶に残っていなかったりするのだから。

 

続く。
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沖縄旅行記2日目:石垣島・旅に求める「リアル」と「体験」の続き。


 

シュノーケル道具を貸してくれた店の人が、石垣島のパインアップルは美味しいと言っていたので、石垣にいる間に食べようと思いながら車を走らせていた。すると島北部ののどかな牧草地に、パインを並べている小屋らしきものを発見したので立ち寄ってみることにした。

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そこには昔相当美人だったと思われる50代くらいのおかみさんと、ふたりのおじちゃんがいた。おじちゃんたちは常連客らしく、パインジュースを飲みながらおかみさんと親しげに話していた。その会話に加わったり加わらなかったりしつつ、美味しくパインをいただいた。

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そのときは16時くらいで、石垣は日が長いためまだ昼間のような感じだったのだけれど、おかみさんがいきなりおじちゃんのパインジュースに泡盛をドバドバと入れだしたのでびっくりした。文字通り「ドバドバと」入れたのだ。比率は泡盛9、パインジュース1くらいだったと思う。しかもおじちゃんが飲みたいと言ったからではなく、「飲むでしょう」と有無を言わさずにだ。

おかみさんに「あんたも飲むか?」と言われて、「車なんで…」と断ると、泡盛を飲みながらおじちゃんが「捕まるまで大丈夫さ〜」と事も無げに言ってきた。これが沖縄なんだなと思った。

 



 

おかみさんが「18時ごろにみんな集まって飲むけど、あんたも飲んでいきな」と勧めてくれた。「わたしの家はすぐそこだから、寝てけばいいさ〜。ここ(店)で寝てもいいよ。近くに小学校の体育館もあるよ(謎)」と言ってくれた。会って10分ほどの見ず知らずの女を飲みに誘うだけでなく、泊まっていけと言うあたりに、八重山の人たちの文化を感じた。

わたしはホテルを予約してしまったことを猛烈に後悔した。一人旅においては、先の予定を決めてしまうことは予想外の出来事に出会う機会を逃してしまう。一人旅に、現地の人との出会いや交流は欠かせない。その機会を失ってしまうような予定はもう立てたくないと思った。

 

泊まる場所や行き先、目的を決めずに旅をするのは正直怖い。先のことが決まっていないと不安を感じる。泊まる場所が見つからなかったらどうしよう。せっかく旅行に来て、無意味な1日を過ごしてしまったらどうしよう…。わたしたちは、立てたいから予定を立てるのではなく、不安だから予定を立てる。先が見えない不安から解放されるために、予定を立てて安心する。

けれど安心感の先に、大したものは待っていない。ドキドキもワクワクもない。そこにあるのはそれなりに楽しい体験と、それなりに美しい景色と、写真を見なければ忘れてしまうような思い出たち。

不安の先に、新しい出会いや発見がある。一切の予定を立てないのは怖いけれど、そのときそのときの自分の判断を信じてみようと思う。未来の自分を信じる。きっとなんとかなる(する)。

 

 

おかみさんたちと別れて、素晴らしい景色と聞いていた平久保崎灯台へ向かった。島の人たちとの機会を失ってしまったことが心にひっかかっていたせいか、景色を見ても心が動かなかった。

 

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沖縄2日目。朝早く起きて石垣島へ飛んだ。

石垣島は車がないと不便と聞いていたので、空港でレンタカーを借りて、島を回った。

 

まずは石垣島を代表する景勝地、川平湾へ向かった。

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水面がキラキラと輝いて美しかった。が、それだけだった。そこに感動はなかった。お土産屋が並び、ツアーの団体客が押し寄せる観光地。ゆっくり見る気にならず、すぐ車に戻った。

 

石垣島で「見るべき」と言われる場所はいくつかあるが、どれにも心を揺さぶられることはなかった。 それよりも何気ない小道や、ひっそりと存在している場所に心を惹かれてシャッターを切りまくった。

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石垣島は半日もあれば車で一周できてしまう。市街から離れた石垣島の道路は、信号もなく、交通量も少なく、美しい海と山に挟まれ、ゆったりドライブしているととても豊かな気持ちになれる。

ドライブをしながらふと、今こうやって来たことのない島で車を運転して、幸福感を感じていることがすごいことに思えてきた。行きたい場所、やりたいことがあったから、「行く」「やる」と決断して、実行した。それだけ。当たり前のことだけど、本当にやっている自分がおもしろくて、思わず笑ってしまった。

人生って、全部そうなんだなと思う。行きたい場所があって、やりたいことがあって、会いたい人がいるから行動する。そうやって人生は動いていく。

 



 

しばらく車を走らせると、「米原ビーチ」という看板を見かけたので立ち寄ってみることにした。偶然車を乗り入れた場所でシュノーケルグッズを貸し出していたのでやってみた。こうやって直感に従って気になる場所に立ち寄ったり、思いつきで行動できるのが一人旅のいいところだ。

 

ビーチにはほとんど人がおらず、ほぼプライベートビーチだった。米原ビーチは透明度が高くて美しい。海に入りながら見る於茂登岳もとてもよかった。川平湾のように観光客が押し寄せることもなく落ち着いていた。

シュノーケルは初体験だったけれど、あまり好きにはなれなかった。魚やサンゴをずっとながめていることに楽しさを見出せなかった。わたしは、「癒しの旅」や「リゾートでゆっくり」というのが苦手。ビーチで寝そべっていられるのも1時間が限界。何もせずにぼーっとすることができない。旅に癒しを求めていない。

旅に癒しを求めるのは、普段の生活に癒しがない(または少ない)場合が多いように思う。普段が忙しくて大変だから、旅先で癒されたい、リフレッシュしたい、何も考えずに過ごしたい、ということなのだろう。旅行=現実逃避のツール。旅が終われば現実が待っている。だから旅が始まった瞬間に、旅の終わりのことを考える…。「毎日が辛い」前提の人生って、想像するだけで怖い。

 

じゃあわたしが旅に求めているものは何?

それはきっと「リアル」と「体験」。人に会い、会話を交わし、知らない地のことを知る。その土地の人々のリアルな生活を知る。価値観が広がる。景色を観るときも、「綺麗だなあ」より「こんな景色に囲まれた生活は、どんな気持ちになるんだろう」「自分はこの景色から何を感じるだろう」と考える。

新しい価値観に触れることで、脳内がアップデートされる。体験を通じて自分がどう感じるかを俯瞰して、深く深く自分を知る。

 



 

ずっと自分のことを「人嫌い」だと思っていたけれど、わたしが旅で求めていたのは人との関わりだった。景色を眺めていても、おもしろいことは一つも起こらない。おもしろいことを運んで来てくれるのは、いつだって人だ。現地の人とのふれあいから予想もつかなかったことが起こることを期待している。わたしは人が好きなんだ、と気付いた。

 

自分のことはわかっているようで実は以外と知らない。旅は自分を知るのに最高の方法。「自分探しの旅」とよく言うけれど「自分を知る旅」というのがしっくりくる。

 


続く。
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Jetstarの格安航空券で、往復1万4千円ほどで沖縄へ来ることができた。1日目は旅人が集まりそうな宿を予約した。ドミトリーで、1泊1,500円という安さだった。


今までは一人旅と言っても電車で日帰り程度で、1週間も、しかも飛行機に乗って行くのは初めてだった。うまく飛行機に乗れるのか、そもそも本当に航空券は予約できているのか、不安は尽きなかった。セントレアに向かうまでの電車内でもすでにドキドキしていて、普段なんなくしている電車の乗り換えさえもうまくできるか不安になるありさまだった。けれど、不安と同時に高揚感も感じていた。

新しいことに挑戦するときのわくわく感。やっぱりわたしは、挑戦することが好き。今までやりたかったけれど怖くてできなかったことに、えいっと勢いで飛び込む時の、あの心が震える感覚。慣れきった会社生活で忘れかけていたけれど、久しぶりにこの感覚を取り戻すことができたことがうれしい。

用意された舞台、旅でいうと旅行会社のツアーで行くのと、自分手配してイチから創り上げるのがここまで違うことに驚く。何事もそうだけど、人が用意してくれたものにのっかるのは、手間もなく、簡単で安全。だけど、ワクワク感、達成感、おもしろさ、何をとっても格段に違う。感じることも全然違うし、記憶の残り方も全く違うんだと思う。やっぱりわたしは何事も自分でやりたい派。人がつくった枠組みに当てはまるだけの旅のなにが楽しい?これは人生も一緒。






無事那覇空港に到着し、宿のある美栄橋駅までゆいレールで15分ほど。窓から見える景色、見るもの全てが新鮮で、ずっとキョロキョロしていた。

宿で荷物を降ろして国際通りあたりをぶらついた。観光客向けの土産店ばかりでおもしろくなかったから、徒歩15分ほどの栄町商店街まで足を伸ばした。</span>栄町は古くからある商店街という感じで、地元の人たちの生活に密着していた。買い物をするついでに店の前で長話。買い物をしなくてもちょっと寄って長話。そんな感じ。観光客向けにつくられた国際通りとは違い、そこにはリアルな地元の生活があった。

商店街をぶらぶらしていると、おかみさんが一人で切り盛りしている小さな居酒屋の前で、いかにも地元民という感じのオヤジに声をかけられ、一緒に飲むことになった。歯がほとんどない汚いオヤジと、その飲み仲間たち。みんな気さくに話しかけてくれて、気前よくお酒をおごってくれた。大した話をするでもなく、ギターを弾いたり、おかみさんの子どもたちと遊んだりして過ごした。

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とても貴重な時間だった。オヤジたちと会ったのは19時頃だったけれど、すでに泡盛を10杯ほど飲んだらしくベロベロで、仕事よりも酒を飲むことを重要視しているあたりに強いシンパシーを感じた。内地(日本本土)ではダメ人間視されそうなことも、ここではごく当たり前のことだったりする。社会不適合の道を進もうとしているわたしにとって、その雰囲気はなんとも言えない居心地のよさを感じた。



オヤジたちは突然の若い女の出現に気を良くし、2軒目、3軒目と連れて行ってくれた。3件目のスナックのママさんがとてもいい人で、一人旅をしていることを話すと、強くハグしてくれた。ママさんがつくってくれたゴーヤチャンプルーは、今まで食べたどの沖縄料理よりも美味しかった。

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地元の人たちのおかげで、沖縄初日から素晴らしい時間を過ごすことができた。オヤジたち、ありがとう。



続く。
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